ルポライター・みゆき(21)
空手歴15年(全日本空手道連盟二段)・元レースクイーン・スイーツルポライター
「華麗な空手の技でゴキブリをやっつけてよ!」なんて期待された私が、まさかの号泣逃走劇を繰り広げることになるとは。オフィスを戦場と化した”黒い悪魔”との死闘(?)を、恥を忍んで赤裸々レポート。空手の技術的限界と害虫駆除の現実も交えて解説する。
この記事を読んでわかること
- 空手の技術体系が昆虫に対して物理的に無効である理由
- オフィス環境でのゴキブリ発生要因と現実的な対策
- 実際に使用した害虫駆除グッズの効果比較
- 恐怖反応との向き合い方と専門知識の重要性
第1幕:平和なオフィスに現れた”黒い刺客”
時刻は朝8時45分。コーヒーの湯気が立ち上る静寂のオフィスで、私は今日のスケジュールを確認していた。
「今日も平和だなあ」
そんな呑気なことを考えていた、その時だった。
カサ…カサカサ…
「?」
足元から聞こえる妙な音に首をかしげる私。まさかとは思ったが、恐る恐る机の下を覗き込むと―
現れたのは体長約3センチ、光沢のある黒い甲殻に身を包んだゴキブリだった。見た目からしてチャバネゴキブリ(Blattella germanica)のようだ。

我ながら見事な絶叫が響き渡る。椅子から立ち上がった勢いで、コーヒーカップが宙に舞った。
第2幕:空手有段者、まさかの敗走劇
「みゆきちゃん、どうしたの?」
同僚のmikuが駆け寄ってくる。
「ゴ、ゴキブリが…」
指差す私の手は震えていた。
「え?ゴキブリ?みゆきちゃん空手やってるじゃん、やっつけてよ!」

ここで冷静に解説しよう。
さらに、空手の「間合い」概念は相手との距離が1-2メートルを前提としているため、足元の微小な動きに対する反応は想定されていないのだ。
つまり、どれだけ空手を極めても、ゴキブリ相手では「技術的にお手上げ」というのが現実なのである。
私は廊下に向かって全力疾走した。後ろからmikuの「おーい!」という声が聞こえたが、振り返る余裕はない。

第3幕:オフィス全体を巻き込む大騒動
給湯室に避難した私のもとに、続々と同僚たちが集まってきた。
「何があったの?」 「ゴキブリが出たって?」 「どこに?」
ここで興味深い現象が起きた。技術のやすさん(61歳・男性)は「俺も虫ダメ!」と即座に私の隣に避難。ゆりさん(31歳・女性)は「任せとけ」とばかりに意気込んでいたが、実際に現場を見ると「うわあ、でかい…」と後ずさりした。
一般的に、ゴキブリに対する嫌悪反応は生物学的に正常な反応とされている。不衛生な環境に生息し、病原体を媒介する可能性のある昆虫を本能的に忌避することで、感染リスクを回避する適応的行動だと考えられているからだ。
かずみ(20歳・女性)だけが勇敢にも立ち向かおうとしたが、ゴキブリは非常に素早く机の隙間に消えてしまった。チャバネゴキブリは秒速約1メートル以上で移動できるため、人間の反応速度では捕捉が困難なのだ。
「見失った!」
「えええええ!どこに行ったの!?」
オフィスが一瞬で戦場と化した。みんなで足をばたつかせながら机の周りをうろうろする様子は、まさにコメディ映画のワンシーンだった。
第4幕:涙の告白タイムと心理的考察
結局、ゴキブリは行方不明のまま。私は給湯室で膝を抱えて座り込んでいた。
「みゆきちゃん、大丈夫?」
mikuが心配そうに声をかけてくれる。
「空手やってるのに…情けない…」
ポロポロと涙がこぼれた。15年間積み重ねてきた鍛錬が、たった一匹の虫に完敗したという事実が悔しくて仕方なかった。

「でも仕方ないよ。虫と空手は別物でしょ」
ゆりさんが慰めてくれたが、その時だった。
「ギャアアアア!」
夢子の絶叫が響く。例のゴキブリが今度はコピー機の下から現れたのだ。
なぜか実況するかずみ。私たちは再び大騒ぎになった。
第5幕:プロの技術登場
最終的に、さゆりが颯爽と登場。
「こんなもん、慣れっこですよ」
さゆりが使用したのは、ピレスロイド系の殺虫剤だった。ゴキブリの神経系に作用し、効果的に駆除できる仕組みになっている。
あっという間にゴキブリを退治してくれた。プロの技に一同感嘆。
「やっぱり餅は餅屋ね」
ゆりさんの一言に、みんなで大笑いした。
番外編:現実的な対策会議
事件後、なぜかオフィスで「ゴキブリ対策会議」が開催された。今度は私が調べた知識を活かして、現実的な対策を提案することにした。
議題:今後のゴキブリ対応について
購入・検証した対策グッズ比較
商品名 | 主成分 | 価格 | 設置後の効果 | 使用感 |
---|---|---|---|---|
ブラックキャップ | フィプロニル0.05% | 1,580円 | 2週間で目撃ゼロ | 設置するだけで簡単 |
ゴキジェットプロ | イミプロトリン | 880円 | 即効性あり | 匂いが強い |
ゴキブリホイホイ | 強力粘着剤 | 680円 | 月2-3匹捕獲 | 捕獲確認できて安心 |
ブラックキャップの仕組み 主成分のフィプロニルは、昆虫の神経伝達を阻害する殺虫成分。摂取したゴキブリが巣に戻ってから効果を発揮し、他の個体にも影響を与える「連鎖効果」が期待できるとされている。
実際に使用してみた結果、設置から2週間ほどでゴキブリの目撃情報がなくなった。価格は高めだが、効果を考えれば妥当だと感じた。
オフィス環境でのゴキブリ対策
一般的に、オフィスビルでのゴキブリ発生要因は以下が挙げられる:
暖房設備周辺の温度環境 – 越冬場所として好まれる
配管・ダクト経由の侵入 – 建物の構造的問題
段ボール等の搬入物 – 外部からの持ち込み
私たちのオフィスでは、特に給湯室の清掃を徹底し、食べ残しをすぐに片付けるよう心がけた。また、暖房機器周辺にもブラックキャップを設置した。
第6幕:学んだことと今後の展望
恐怖反応の正体
ゴキブリに対する恐怖は、決して恥ずかしいことではない。むしろ、人間が長い進化の過程で獲得してきた「生存本能」の現れだと考えられている。
不衛生な環境に生息し、サルモネラ菌や大腸菌などを媒介する可能性のある昆虫を避けることは、感染症予防の観点からも合理的な行動なのだ。
専門知識の重要性
今回の事件をきっかけに、害虫駆除について本格的に勉強した。その結果分かったのは、感情的な対応よりも科学的な知識に基づいた対策の方がはるかに効果的だということだった。
例えば、ゴキブリは夜行性で暗い場所を好むため、日中は机の隙間や電気機器の裏などに潜んでいる。また、温度20-30度、湿度60-80%の環境を好むため、除湿と清掃が予防の基本となる。
エピローグ:強さの再定義
あの事件から半日。私はまだゴキブリが得意ではないが、以前ほどパニックにはならなくなった。⇐順応性あり
重要なのは「完璧に恐怖を克服すること」ではなく、「適切な知識と対策を身につけること」だったのだ。空手で培った集中力を、今度は害虫対策の勉強に向けた結果、オフィスの害虫対策責任者も任されるようになった。
研究によると、恐怖対象に関する正確な知識の獲得は不安反応の軽減に効果があるとされている。実際、ゴキブリの生態や効果的な駆除方法を学ぶことで、心理的な負担は大幅に軽減された。
この記事を読んで分かったことと考えるべきこと
ゴキブリ恐怖症は生物学的に正常な適応反応である
科学的根拠に基づく予防策が感情的対応より効果的
専門知識の習得により恐怖反応は軽減可能
プロの技術と適切な薬剤使用が最も確実な解決策
あとがき:体験から学んだ教訓
「空手有段者がゴキブリに泣かされた」なんて、漫画みたいな話だと思われるかもしれない。でも、これは紛れもない実話だ。
今回の事件を受けて、私はオフィスの害虫対策責任者として、予防と早期発見に努めている。恐怖を知識で補完した経験は、ルポライターとしての取材力向上にもつながった。
空手二段の技術と害虫対策の実践的知識を併せ持つライターとして、これからも現場に根ざした記事を書き続けたい。
P.S.
この記事を読んでくださった皆さん、もしオフィスや家庭でゴキブリと遭遇したら、まずは冷静になって適切な対策を講じることをお勧めします。恐怖反応は自然なものですが、正しい知識があれば必ず対処できます。
恥ずかしがらずに、プロの力を借りることも立派な解決策の一つです。私たちは完璧である必要はないのですから。
担当:みゆき
