この記事のまとめ
- 結論:Grokは「雑談相手」としては優秀だが、仕事で使うには情報の正確性に懸念あり。
- 長所:フランクで親しみやすい会話スタイル。AIチャット初心者におすすめ。
- 短所:最新情報や専門的なデータが古い、または間違っていることがある。
- 他AIとの違い:安定性のChatGPT、長文のClaudeに対し、Grokは「親しみやすさ」が最大の特徴。
佐々木優が語る「Grok」の可能性と現実のギャップ
こんにちは。IT企業を経営している佐々木優です。
今日は珍しく、プライベートな話から始めさせてください。先週末、大学時代の友人と久しぶりに会ったとき、「最近のAIアプリってどうなの?特にiPhoneで使えるやつ」って聞かれたんです。
「AIなら仕事で散々触ってるよ」と答えたものの、エンターテイメント系のAIアプリって実は全然知らなくて。ちょっと恥ずかしかったですね。それで帰宅後、App Storeでいろいろ探してみることにしました。
そこで出会ったのが「Grok」でした。イーロン・マスクが関わってるAIということは知っていたけれど、スマホアプリがあることは知りませんでした。
期待と現実のギャップが結構大きかった
正直に言うと、最初はかなり期待していました。「さすがイーロン・マスク、きっとすごいものを作ってるんだろう」って。
でも実際にダウンロードして使ってみると…うーん、思っていたのと違うというか。
まず、よく噂で聞いていた「3Dキャラクターとの対話」みたいな機能は見当たりませんでした。私が使っているiPhone 14 Proが古いのかと思って調べてみたんですが、そもそもそういう機能自体がないみたいで。
どこかで「コンパニオンモード」という名前を聞いたような気がしていたんですが、勘違いだったようです。人の記憶って曖昧ですね。
実際に使ってみた感想
それでも、せっかくダウンロードしたので一週間ほど使ってみました。
基本的にはテキストベースのチャットボットという感じで、ChatGPTやBardと似たような使用感です。ただ、回答の傾向が少し違うかな。もう少しフランクというか、砕けた感じの返答が多い印象でした。
私が試したのは主に以下のような用途:
- 簡単な調べ物
- ブレインストーミングの相手
- 英語の文章チェック
- 軽い雑談
良かった点
意外だったのは、雑談の相手としては結構良かったことです。仕事のストレスとか、今後の事業展開についてとか、なんとなく話し相手が欲しいときに使っていました。
「今日は会議が多くて疲れました」って入力すると、「お疲れ様です。会議続きは本当に大変ですよね。何か気分転換になることはありますか?」みたいな返答が返ってきて、なんとなく気持ちが楽になったり。
ChatGPTだともう少し事務的な感じがするんですが、Grokはもう少し親しみやすい感じがしました。これは個人の感覚なので、人によって違うかもしれませんが。
微妙だった点
一方で、情報の正確性については少し気になることがありました。特に最新の技術情報や市場データについて質問したとき、たまに古い情報や間違った情報が混じっていることがありました。
例えば、「2024年のAI市場規模」について聞いたときの回答が、明らかに2023年の古いデータを基にしているような感じでした。これは仕事で使うには少し不安ですね。
結局、どんな人におすすめ?
一週間使ってみた結論としては、「雑談相手としては良いけれど、仕事には使いにくい」という感じでした。
私みたいに普段からChatGPTやClaude、Bardなどを使い分けている人には、特に新鮮味はないかもしれません。でも、初めてAIチャットボットを使う人には良い入門編になるかも。
特に、以下のような人には向いているんじゃないかと思います:
- AIチャットボット初心者
- フランクな会話スタイルが好きな人
- イーロン・マスクのファン(単純ですが、これも動機としてはありかと)
料金面での考慮
無料でも基本的な機能は使えるので、まずは試してみる分には良いと思います。有料プランもあるようですが、現時点で私は無料版で十分かなと。
月額制のサブスクリプションサービスって、気づいたら結構な金額になってることありませんか?私も定期的に見直しをするんですが、「これ、本当に使ってる?」ってサービスが結構あったりして。
Grokについても、しばらく無料版で様子を見てから判断するのが良いかもしれません。
他のAIサービスとの比較
せっかくなので、普段私が使っている他のAIサービスとも比較してみました。
ChatGPT(OpenAI)
やっぱり安定感はこれが一番です。特に技術的な質問や複雑な文章作成には頼りになります。ただ、少し堅い感じがするのが玉にキズ。
Claude(Anthropic)
私が最近よく使っているのがこれです。長文の処理が得意で、文章の推敲やレビューによく使っています。日本語の自然さも良い感じ。
Bard(Google)
Googleの検索と連携しているので、最新情報が必要なときに便利です。ただ、たまに的外れな回答をすることがあるのが気になります。
Grok
上記3つと比べると、まだ発展途上という印象です。ただ、親しみやすさという点では他にない特徴があるかも。
正直な感想と今後への期待
率直に言うと、現時点でのGrokは「特別すごい」というほどではありませんでした。でも、これは別に悪いことではないと思います。
私が初めてiPhoneを手にしたのは2008年の3Gでしたが、当時は「電話とメールとネットができる程度」でした。それが今では私たちの生活に欠かせないツールになっています。
AIも同じで、今はまだ発展途上ですが、数年後には私たちの想像を超える進化を遂げているかもしれません。
技術者として感じること
私の会社では、AI技術を活用したサービス開発も手がけています。その立場から見ると、現在のAI技術の進歩は本当に目覚ましいものがあります。
ただし、同時に限界も見えてきているのも事実です。特に、情報の正確性や、文脈の理解、そして何より「人間らしさ」という部分では、まだまだ改善の余地があります。
Grokについても、今後のアップデートで大きく改善される可能性があります。イーロン・マスクという人は、良くも悪くも「やりすぎる」傾向があるので、予想外の展開があるかもしれませんね。
まとめ:とりあえず試してみる価値はあり
長々と書きましたが、結論としては「とりあえず無料で試してみる分には損はない」という感じです。
私自身も、今後もしばらく使い続けてみようと思っています。特に、他のAIサービスとの使い分けという観点で、何か新しい発見があるかもしれません。
ただし、期待値は適度に抑えておいた方が良いかも。「革命的な体験」を期待すると、少しがっかりするかもしれません。
最後に個人的な想い
この記事を書きながら思ったのは、AIの進歩って本当に早いということです。2年前には考えられなかったことが、今では当たり前になっています。
私たちIT業界で働く人間は、常に新しい技術にキャッチアップしていく必要があります。時には失敗することもあるし、期待外れのこともある。でも、それも含めて技術の進歩に貢献できているのかなと思います。
Grokも、今はまだ発展途上かもしれませんが、将来的には私たちの仕事や生活を大きく変える存在になるかもしれません。そんな可能性を感じながら、今後も新しい技術に触れ続けていきたいと思います。
佐々木優
2024年7月15日 記
追記: この記事は私の個人的な体験と感想に基づいています。技術の進歩は日進月歩なので、読まれる時期によっては状況が変わっている可能性があります。また、使用感については個人差があることをご理解ください。