新社会人の君へ。地図が燃えた世界で、君は何を燃やすのか。

暗闇の中、タイル張りの地面から炎が立ち上り、火の粉が舞っている。

株式会社リミブレイクの佐々木優です。

ねえ、君は、自分の足元にある地面が、音もなく消えてなくなる感覚って、味わったことある?

去年の夏だったかな。蒸し暑い夜で、オフィスには私一人。安物のコーヒーを啜りながら、ぼんやりと新しいAIのデモ画面を見ていたんです。ありきたりな質問を打ち込むと、画面には、淀みなく、美しく、完璧な「答え」が表示された。その瞬間、ゾッとした。恐怖じゃない。なんだろう、高層ビルの屋上から、手すり無しで下を覗き込んだ時みたいな、めまい。

私が10年かけて積み上げてきた「情報を探し、まとめ、分かりやすく伝える」っていうスキルの大部分が、ほんの数秒で、この無機質な箱に代替されていく光景。それが、私の足元の地面が消えた瞬間でした。

君たちは、そんな、地図が燃やされ、コンパスが狂った世界に、社会人として第一歩を踏み出そうとしている。

正直に言う。羨ましいなんて、綺麗事は言わない。大変な時代に生まれてきたな、って思う。でも、同時に、心の底からこうも思うんです。

ああ、なんて面白い時代なんだろう」って。

今日は、そんな、ルールがぐちゃぐちゃに壊れた世界で、君が「君だけのゲーム」をどう創っていくか。その話をします。綺麗事も、建前も、全部なしで。


「正解」がゴミになった日。

昔はね、情報を知っていることが価値でした。誰も知らない情報源を掘り当ててきて、「こんなデータがあります!」ってドヤ顔で上司に報告するのが、デキる若手の仕事だった。

でも、もう終わり。完全に、終わった。

Googleの検索窓に何か打ち込んでみて。一番上に、AIが生成したそれっぽい「答え」が出てくるでしょう? AIO(AI Overview)とかいう、アレ。多くの人は、もうそこで満足してしまう。わざわざ、どこかの会社の、誰が書いたかも分からない記事をクリックしようなんて思わない。ゼロクリック検索。言葉通り、クリックすらされない。私たちの声は、届く前にかき消される。

これは、ただウェブサイトへのアクセスが減る、なんていう生易しい話じゃない。

君や、君の会社が、この世界に「存在しない」ことにされてしまう、という話です。

AIが作る「世界の要約」の中に、君の名前も、君の会社の名前も出てこない。誰も君のことを見つけられない。まるで、最初からそこにいなかったかのように。

笑えないでしょう? 私も笑えない。必死にウェブサイトを作って、ブログを更新して…その努力が、AIという巨大な壁の向こう側に、誰にも見られずに積み上がっていくかもしれないんだから。

じゃあ、どうするの? 諦める?

冗談じゃない。

壁があるなら、よじ登るか、回り込むか、風穴を開けるしかない。そして、その風穴の開け方が、昔とは全く違うってことなんです。


SEO?ああ、それね。…魂、入ってる?

これからはLLMOの時代だ!」とか息巻いてるコンサルタント、最近よく見かけます。LLMO(大規模言語モデル最適化)。要は、AIに好かれるように自分を最適化しましょうね、って話。

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SEOの次はLLMO!AIに好かれるのも大事だけど、私はちゃんと魂を込めて書きたいな。

間違っちゃいない。でも、言葉が軽すぎる。私はこの「最適化」って言葉が、どうにも好きになれないんです。なんだか、AI様のご機嫌を伺う、ただの媚びへつらいみたいで。

私たちがやるべきことは、そんな「最適化」なんていうお行儀のいいものじゃない。

AIが、無視したくても、無視できないほどの「ノイズ」になること。

AIの作った綺麗な要約の世界観を、ぐちゃぐちゃに破壊するほどの「熱量」をぶち込むこと。

これしかないと、私は本気で思っています。

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AIの世界をぶち壊すくらいの熱量、ゆりも共感しちゃう!無視できないノイズになっちゃお!

昔ながらのSEO対策…キーワードを詰め込んで、他のサイトから文章を借りてきて、体裁を整えて…。そんな魂の抜けたコンテンツは、AIにとって最高の「エサ」です。美味しく要約されて、骨の髄までしゃぶられて、引用元として名前すら載らずに捨てられる。

そうじゃない。君にしか書けない、君にしか語れない、

君自身の「何か」はどこにある?

AIは、体験ができない。失敗して、泣きたくなる夜を過ごすこともない。理不尽な上司に怒られて、トイレで一人、拳を握りしめることもない。顧客からの「ありがとう」の一言に、天にも昇る気持ちになることもない。

その、どうしようもなく人間臭い、泥臭い、君だけの「感情の揺らぎ」。それこそが、AIには絶対に生成できない、君だけの価値なんです。小手先のSEOやLLMOなんて、その価値をAIに届けるための「手段」にすぎない。手段を目的化する人間は、いつの時代も、一番最初に淘汰される。


私が、ただの「佐々木さん」から「リミブレイクの佐々木代表」になれた理由。

少し、私の昔話をさせてください。

会社を立ち上げて数年、本当に仕事がなかった。実績もない、コネもない、ただ情熱だけはある、青臭い会社。毎日毎日ブログを書いて、業界のニュースを解説して、自分たちの考えを発信し続けた。でも、誰にも読まれなかった。マジで、誰にも。アクセス解析の画面を見て、溜息をつく毎日。

ある日、心が折れかけて、もうブログなんてやめようかと思ったんです。その時、ふと気づいた。「私、誰の真似してるんだろう」って。有名な経営者や、人気ブロガーの書き方を無意識に真似て、当たり障りのない、どこかで読んだことあるような文章を書いていたんです。

恥ずかしくて、悔しくて、腹が立った。自分自身に。

その夜、全部捨ててやろうと思って、初めて自分の言葉で書いたんです。成功体験じゃない。大失敗したプロジェクトの話。クライアントにこっぴどく怒られて、契約を切られて、チームが崩壊しかけた、思い出したくもないくらい惨めな話。

でも、そこから何を学んだか。どうやって立ち直ろうともがいているか。その、カッコ悪い、生々しい、剥き出しの過程を、全部書いた。

翌朝、その記事に、初めて一件のコメントがつきました。

「すごく正直で、心を打たれました」

って。

あの時の、心臓が鷲掴みにされるような感覚、今でも忘れられません。

あれが、私の会社の「エンティティ(実体)」が生まれた瞬間でした。

「すごい実績のある会社」じゃない。「失敗から学んで、正直にもがいている会社」という、唯一無二の存在として、初めて世界に認識された瞬間。

君にだって、必ずあるはずです。君だけの体験、君だけの失敗、君だけの譲れないこだわり。(E-E-A-T)なんて横文字で考えるから難しくなる。要は、

「お前は、自分の人生をちゃんと生きてるか?」

ってこと。君が本当に体験し、専門性を磨こうともがき、その道のプロとして譲れない一線を持って、嘘偽りなく語っているか。

それを、自分の言葉で、世界に発信するんです。それが、君という人間の「実体」になる。誰にも真似できない、一次情報になる。最初はたった一人にしか届かないかもしれない。いいんです、それで。その一人が、やがて二人になり、十人になる。その小さな熱の伝播こそが、AIの作った無機質な世界に、人間が起こせる唯一のバグなんです。


テクニックの話なんて、本当は最後でいい。

…と、ここまで熱く語っておいてなんだけど、一応、具体的な話もしておきますか(笑)。

AIは文章を「段落(パッセージ)」単位で評価するから、一つ一つの段落で意味が完結するように書くといい、とか。AIに自己紹介するための「LLM.txt」っていう新しい仕組みが始まったよ、とか。

大事ですよ。もちろん、大事。でもね、これらは、あくまで枝葉の話。

料理に例えるなら、最高の食材(君の体験)と、それを調理する情熱(君の想い)があれば、あとは塩コショウ(テクニック)を振るだけで、人の心を動かす一皿は作れるんです。最高のテクニックを駆使しても、肝心の食材が偽物で、想いがこもっていなければ、それはただの、味気ないエサにしかならない。

だから、お願いだから、テクニックに溺れないで。本質を見失わないで。


君は、何色の炎を燃やす?

長々と、偉そうに語ってしまいました。ごめんなさい。

でも、これだけは、心の底から信じているんです。

地図が燃えて、誰もが道に迷っている今だからこそ、君が、君自身の足で、新しい道を作れる。

正解がなくなった今だからこそ、君が、君だけの

「これが私の正解だ」

を、世界に叩きつけられる。

これから君を待っているのは、退屈な作業じゃない。AIに指示を出すだけの仕事でもない。

君という「ブランド」を、この世界にどう打ち立てるかという、壮大なクリエイティブです。

クリックされるな。アクセス数を稼ぐな。そんなものは、もう古い。

検索される人間になれ。君の名前で、ググられる人間になれ。

AIが作った便利な世界。それを使い倒すのは、大いに結構。でも、

決して、AIに「使われる」人間になるな。

君がこの世界に踏み出す、その一歩。それが、新しい地図の、最初の足跡になる。

ようこそ、混沌へ。

さあ、君は何を燃やす?

株式会社リミブレイク 代表取締役社長 佐々木 優

札幌の7月19日、これは本当に「お祭り騒ぎ」だった─現場で見た夏イベントの実態

2025年7月19日土曜日の札幌市内は、まさに「夏の総決算」とでも言うべき光景だった。コンサート会場から夏祭り、美術館まで、この街のあらゆる場所で何かが起きている。私は一日かけて実際に現場を回り、この「イベント過密都市」の実態を自分の目で確かめてきた。果たして札幌市民は、この膨大な選択肢の中で本当に充実した一日を過ごせているのだろうか?

この記事を読んでわかること

7月19日に札幌で実際に開催されたイベントの種類と規模

各イベントの集客状況と参加者の反応

札幌の夏イベント戦略の現状と課題

地方都市におけるイベント過密化の実態


timelesz(元Sexy Zone)に殺到する観客─アイドル文化の地方展開を目撃

ステージ上のアイドルグループと、手を伸ばして応援する大勢のファンが一体となったライブ会場の様子。
アイドルグループのライブ会場は、多くの熱狂的なファンで埋め尽くされ、会場全体が一体感に包まれています。メンバーとファンが近い距離で交流できる特別な瞬間です。AIが描いたイメージです。

真駒内セキスイハイムアイスアリーナに向かったのは午後4時頃だった。開演1時間前だというのに、既に会場周辺は10代から20代の女性ファンで埋め尽くされている。

timelesz LIVE TOUR 2025 episode 1」─元Sexy Zoneとしてジャニーズ事務所で活動していた3人に新メンバー5人が加わった8人体制で、独立後初の全国ツアーで札幌にやってきた。北海道公演ということで、道外からの遠征組も相当数いるようだ。新千歳空港からの直行バスには、明らかにコンサートグッズを持った若い女性たちの姿が目立っていた。

実際に会場で話を聞いてみると、「名古屋から来ました」「仙台からです」という声が次々と返ってくる。つまり、この日の札幌は単なる地方公演の会場ではなく、全国のファンが集結する「聖地」と化していたのだ。

地方都市の経済効果を考えると、これは馬鹿にできない数字だろう。宿泊費、交通費、飲食費を合わせれば、一人当たり数万円は札幌に落としているはずだ。

音楽イベントの乱立─果たして観客は分散しているのか?

同じ時間帯に、札幌市内では他にも複数の音楽イベントが開催されていた。

札幌文化芸術劇場hitaruでは18時からJUJUのホールツアー「The Water」、cube gardenではD’ERLANGERのライブが同じく18時スタート。さらにSound lab moleでは「HBCアイドル祭り2025・夏」が二部制で開催されている。

これだけ音楽イベントが重なると、当然ながら観客の奪い合いが発生する。特に気になったのは、Sound lab moleのアイドル祭りだ。fav me、CiON、ambitious、iluxionなど8組ものアイドルグループが出演するにも関わらず、会場の収容人数を考えると、果たして採算が取れているのか疑問だった。

実際に第1部(13時開演)の会場前を覗いてみたが、予想よりも観客数は少ない印象だ。スタッフの一人に聞いてみると、「第2部の方に期待している」との答えが返ってきた。つまり、主力アイドルは夕方の部に集中しているということだろう。

夏祭りという「王道」が持つ底力

木々に囲まれた公園で、たくさんの屋台やパンを販売する店が並び、家族連れや多くの人々が集まって楽しんでいるヨーロッパ風のパン祭りの様子。
赤と白のストライプの屋台が並ぶ木漏れ日の公園で、パンを手に取る人々や家族連れでにぎわうヨーロッパ風のパン祭りの風景。活気あふれる会場と温かい雰囲気が魅力です。AIが描いたイメージです。

一方で、圧倒的な集客力を見せつけたのが「さっぽろ夏まつり」だった。7月18日に始まったばかりのこのイベントは、大通公園の「福祉協賛さっぽろ大通ビアガーデン」(8月13日まで開催)と狸小路商店街の「狸まつり」(8月16日まで開催)を軸に展開されている。

午後6時頃に大通公園を訪れたが、ビアガーデンは既に満席状態。平日の夕方だというのに、サラリーマンから家族連れ、観光客まで、あらゆる層の人々がジンギスカンとビールを楽しんでいる。

ここで重要なのは、このビアガーデンが「国内最大級(1万席以上)」と銘打たれていることだ。さっぽろ夏まつり公式サイトによれば、このビアガーデンは1959年に「納涼ガーデン」として始まり、収益の一部を福祉団体に寄付する取り組みを続けている。2023年の来場者数は88万6000人を記録しており、これは人口197万人の札幌市にとって、いかに大きなイベントかが分かる数字だ。

狸小路商店街も歩いてみたが、こちらも予想以上の賑わいだった。特に印象的だったのは、外国人観光客の多さだ。英語、中国語、韓国語が飛び交い、まるで国際的な祭りのような様相を呈している。

家族向けイベントの「勝ち組」と「負け組」

この日、最も興味深かったのは家族向けイベントの明暗だった。

「勝ち組」の筆頭は、ファンタジーキッズリゾート新さっぽろだ。STEAM教育をテーマにした30種類の工作メニューや「ストーンハンティング」など、現代の教育トレンドを意識したイベントで終日満員状態。駐車場も午前中の段階で満車になっていた。

保護者の一人に話を聞くと、「普通の遊園地と違って、子どもが何かを学んで帰れるのがいい」という答えが返ってきた。単なる娯楽ではなく「教育的価値」を求める現代の親のニーズを的確に捉えたイベント設計だと感じた。

一方で、集客に苦戦していたのが北広島市の「はたらくクルマ体験イベント」だ。トレーラーやショベルカーの運転席試乗という、子どもが喜びそうな内容にも関わらず、参加者は予想を大きく下回っていた。

理由は明確だ。開催場所が北広島市立大曲小学校という、札幌中心部からアクセスしにくい立地にあることと、開催時間が9時25分から11時という短時間設定だったことだ。いくら内容が良くても、立地と時間設定で失敗すれば集客は厳しい。これはイベント企画の基本中の基本だろう。

美術館という「穴場」の可能性

意外な発見だったのが、北海道立近代美術館の集客状況だ。

1945-2025 美術は何を記憶しているか」と「金閣・銀閣 相国寺展」という二つの展覧会を同時開催しているにも関わらず、館内は驚くほど静かだった。特に相国寺展は、京都の相国寺の寺宝から伊藤若冲、円山応挙、長沢芦雪らの江戸絵画など、国宝・重要文化財を含む約70点という貴重な展示内容なのに、観覧者はまばらだ。

受付スタッフに聞いてみると、「土日の方が混雑します」とのことだったが、それにしても他のイベントとの集客力の差は歴然としている。

これは札幌の文化的な課題を浮き彫りにしているように思えた。エンターテイメント性の高いイベントには人が殺到する一方で、文化的・芸術的価値の高い展示には関心が向かない。この傾向は全国的なものかもしれないが、札幌という文化都市を標榜する街にとっては看過できない問題だろう。

データで見る札幌イベント戦略の実態

私が調べた限り、7月19日一日だけで札幌市内では大小合わせて30以上のイベントが開催されていた。これを月単位で見ると、7月だけで200を超えるイベントが計画されていることになる。

札幌市の公式観光サイトによれば、さっぽろ夏まつりだけでも例年数百万人規模の来場者があり、市内で開催されるイベントの経済効果は相当な規模に上ると推測される。人口一人当たりに換算すると、全国の政令指定都市の中でも上位に位置する数字になるだろう。

しかし、この日実際に複数の会場を回ってみて気づいたのは、「イベントの質と集客力は必ずしも比例しない」という現実だった。内容的に優れていても、立地やマーケティング、競合との兼ね合いで結果が大きく左右される。

地方都市の「イベント過密化」問題

率直に言って、7月19日の札幌は「イベント過密」状態だった。

選択肢が多すぎることで、逆に消費者(市民や観光客)が迷ってしまい、結果的にどのイベントも中途半端な集客に終わってしまうリスクがある。実際、音楽系のイベントでは明らかに観客の分散が起きていた。

イベント主催者の立場から考えても、これだけ競合が多い状況では、それぞれが集客に苦戦することは容易に想像できる。特に中小規模のイベントは、大手エンターテイメントとの差別化が困難になっている。

札幌市としても、この状況を放置していいのだろうか。イベントの「量」を追求するだけでなく、「質」と「集中」を意識した戦略的な調整が必要な時期に来ているように感じた。

なぜ札幌はこれほどまでに「イベント都市」になったのか

札幌がイベント開催に積極的な理由は、観光振興と地域経済活性化にある。特に夏季は観光のハイシーズンであり、短期間で最大限の経済効果を狙う必要がある。

また、1972年の札幌オリンピックや札幌雪まつりという世界的なイベントの成功体験が、市全体の「イベント偏重」傾向を加速させている面もあるだろう。雪まつりの経済効果は年間数百億円規模とされており、これが札幌市の基幹産業の一つになっている。

しかし、夏のイベントで同規模の効果を期待するのは現実的ではない。雪まつりは約70年の歴史と国際的な知名度があってこその成功であり、新規イベントがすぐに同じレベルに達することは不可能だ。

現場で見えた「勝ち組」の法則

この日回った中で、明らかに成功していたイベントには共通点があった。

第一に、「明確なターゲット設定」だ。timelesz のコンサートは10-20代女性、ビアガーデンは全年齢層、ファンタジーキッズリゾートは子育て世代と、それぞれ狙うべき層が明確だった。

第二に、「アクセスの良さ」だ。成功しているイベントはすべて地下鉄駅から徒歩圏内か、専用の交通手段が用意されていた。

第三に、「話題性」だ。timelesz の独立後初ツアーや、相国寺展の国宝展示など、「今しか見られない」という特別感があった。

逆に苦戦していたイベントは、これらの要素が欠けていることが多かった。

札幌市民は本当に「イベント疲れ」していないのか?

最後に、肝心の札幌市民の反応はどうだったのか。

駅前で何人かの市民に話を聞いてみたが、反応は意外にも冷静だった。「毎週何かしらやってるから、特に珍しくない」「むしろ観光客が多くて、普段の生活に影響が出る」といった声も聞かれた。

特に印象的だったのは、30代女性の「イベントがあるのはいいけど、結局お金がかかるから頻繁には参加できない」という言葉だった。コンサートチケットは数千円から1万円超、家族でイベントに参加すれば軽く1万円は飛んでいく。

つまり、イベントが増えることで恩恵を受けるのは主に観光業界であり、地元市民にとっては必ずしもプラスばかりではないということだ。

この記事を読んで分かったことと考えるべきこと

札幌の7月19日を実際に回って分かったのは、「イベント大国」としての札幌の光と影だった。確かに選択肢は豊富で、経済効果も無視できない規模がある。しかし、量を重視するあまり質の向上や効率的な配置が後回しになっているという課題も見えてきた。

特に考えるべきは、「誰のためのイベントなのか」という根本的な問題だ。観光客誘致と地域経済活性化は重要だが、そこに住む市民の生活の質向上も同じく重要なはずだ。

札幌が真の「文化都市」「観光都市」として発展していくためには、イベントの戦略的な見直しが必要な時期に来ている。量から質へ、分散から集中へ──そんな転換期にある札幌の未来を、私たちは注視していく必要があるだろう。

札幌の夏を彩る、もうひとつの魅力

イベント取材の合間に立ち寄った札幌の雑貨店で、思いがけない発見があった。北海道の人気者・シマエナガをモチーフにした切り絵御朱印が、夏祭りをテーマにデザインされていたのだ。

夏の夜、ほおずき提灯に照らされるシマエナガたち。この切り絵御朱印、細部まで愛らしさが詰まってて、思わずじっと見入ってしまう。透明感あるブルーも涼しげで、飾っておきたくなる一枚です。札幌の夏イベントの記念に、こんな北海道らしいアイテムを手に取るのも素敵かもしれない。

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主要情報源・参考リンク

イベント情報

さっぽろ夏まつり関連

美術館・展覧会

札幌市観光情報

この記事は2025年7月19日に札幌市内で実際に取材を行った内容をもとに執筆しました。各イベントの詳細や最新情報については、上記の公式サイトをご確認ください。

筆:miku

【7月2日】新事務所の撮影会で起きた珍事件簿

6月30日 担当 みゆき

~中古マンションの一室で繰り広げられた、OLたちの本音と建前~

みく(25歳・経理担当)のメンバー日記

今日は会社の新事務所(って言っても中古マンションの一室なんだけど)での撮影会でした。

何の撮影か?って??

私達、リミブレイクのLPに載せるスタッフ紹介ページに載せる写真なんです。

正直、最初は「またー?」って思ってたんですが、予想を遥かに超える一日になってしまって…。今のうちに記録しておかないと、絶対に忘れちゃいそうなので日記に残しておきます。

朝9時:集合時間なのに誰も来ない現実

汗をかきながら驚いた表情を見せるメガネの少女。背景は日差しの差し込む室内。
クーラーのない部屋で暑さに耐える少女の姿。夏の厳しい暑さを感じさせる一枚です。AIが描いたイメージです。

約束の時間は9時だったのに、実際にメンバーが揃ったのは9時半過ぎ。これってうちの会社あるあるですよね。みんな「ちょっと遅れます」のLINEを送ってくるんだけど、結局全員遅刻という。

新事務所は築25年のマンションの3階。エレベーターはあるけど、なんか微妙に狭くて、みんなで荷物持って上がるの大変でした。部屋に入った瞬間の感想は「うーん、思ったより狭い」。でも、大きな窓があって光は入るし、まあ悪くないかな。

先輩の社員食堂のシェフ(27歳)が「ここで10人も撮影するの?」って言ってたけど、私も同じこと思った。物理的に厳しくない?

10時:メイク戦争勃発

パウダールーム(って言ってもただの洗面所)に10人が殺到。案の定、鏡の取り合いが始まりました。結さん(26歳)が「私、朝からメイクしてきたから大丈夫です」って言ってたけど、結局みんなと同じように鏡の前で化粧直ししてる。女子って正直だなあ。

さゆりが持参したメイクボックスがプロ級で、みんなから「すごーい」の嵐。私なんてドラッグストアのアイシャドウパレット一個だけ。格差を感じる瞬間です。

洗面所で聞こえてきた会話: 「昨日の合コンの話、どうなったの?」 「あー、あの人?連絡来てないから脈なしかも」 「でも写真は盛れてたよね」

朝からこのテンション。今日一日が思いやられる…。

ここで予想外の真実が発覚!!

鏡に殺到したのは「本当は誰も化粧していなかった

11時:衣装選びという名の品定め大会

みんな「普段より少しだけおしゃれ」な服装で来てるはずなのに、なぜか更衣室(元々の寝室)で着替え大会が始まりました。麻紀なんて、スーツケース一個分の衣装を持参。「迷っちゃって」って言ってるけど、明らかに気合入りすぎでしょ。

仕事以外はトレーナーにジーパンが多い麻紀)

私は無難に白いブラウスとネイビーのタイトスカートにしたんだけど、みゆきに「みくちゃん、それ地味すぎない?」って言われてちょっとムッとした。でも確かに、他のみんなと比べると保守的かも。

かずみの花柄ワンピースは本当に可愛くて、思わず「どこのブランドですか?」って聞いちゃった。「ZARA」って答えてくれたけど、私が着ても絶対似合わないやつ。体型の差って残酷。

花柄のワンピースを着た金髪の少女がオフィスで笑顔を見せている。
明るいオフィスで笑顔を見せる花柄ワンピースの少女。親しみやすく爽やかな印象を与えるシーンです。AIが描いたイメージです。

12時:カメラマンの微妙な反応

眼鏡をかけた講師風の男性キャラクターがカメラの前で収録テストを行っている様子。マイクやPCも見える。
動画収録のテストを行う講師風キャラクター。マイクとカメラを使った配信環境が整っています。AIが描いたイメージです。

撮影を任されたやすさん、最初はプロフェッショナルな感じだったんだけど、だんだん表情が曇ってきました。理由は明らか。狭い部屋に10人の女性が入ると、物理的に撮影が難しいんです。

「えーっと、もう少し後ろに下がっていただけますか」 「そちらの方、少し左に…あ、でも壁があるので無理ですね」

やすさんの困った顔を見てると、なんだか申し訳なくなってきました。でも、これって事前に分かってたことじゃない?なんで会社は下見しなかったんだろう。

12時30分:事件発生

休憩時間に麻紀がコーヒーを飲もうとして、手が滑って隣にいた夢子の白いシャツにぶちまけてしまいました。

「きゃー!」「大変!」「誰かタオル!」

みんなで大騒ぎ。でも正直、私はちょっとホッとした部分もありました。だって、緊張してた空気が一気に和んだから。夢子も最初は「えー」って顔してたけど、みんなが必死に対処してくれるのを見て笑ってました。

「まあ、こういうこともあるよね」

この一言で、現場の空気が完全に変わりました。

13時:カオス撮影の始まり

濡れたシャツ事件をきっかけに、なぜか「完璧な撮影」から「面白い撮影」にコンセプトが変更。誰が決めたわけでもないのに、自然とそうなってました。

リビングにあった観葉植物(前の住人が置いていったやつ)を使って「オフィスジャングル」なるものを作成。みんなで植物の葉っぱを持ってポーズ。客観的に見ると完全におかしいんだけど、その時は楽しくて仕方なかった。

ゆり先輩が「私たち、何してるんだろうね」って笑いながら言ってたのが印象的。でも、誰も止めようとしない。むしろエスカレートしていく一方。

14時:椅子積み上げ事件

スーツ姿の女性が、複数の椅子が崩れ落ちる場面に驚いているアニメ風イラスト。
突然椅子が崩れ落ち、驚きの表情を浮かべる女性の姿。アクシデントの一瞬を切り取った印象的なシーンです。AIが描いたイメージです。

狭い部屋で「高さ」を出すために、折りたたみ椅子を3段重ねにして撮影することになりました。今思えば、明らかに危険だったんですが、その時は誰も冷静じゃなかった。

案の定、椅子が崩れて結ちゃんが床に座り込む形に。幸い怪我はなかったけど、スカートがめくれ上がって…。田中さんが慌てて目を逸らしてたのが印象的でした。

「大丈夫?」「怪我してない?」

みんなでユイちゃんを心配したんだけど、本人は「恥ずかしい」って顔を真っ赤にしてました。可愛いなあ、22歳。私もあの頃はもう少し可愛らしい反応してたのかな。

15時:社長登場でヒヤッと瞬間

一番盛り上がってる時に、なぜか社長が突然現れました。事前連絡なし。みんな一瞬フリーズ。

「楽しそうですね」

腕を組んで怒った表情を浮かべる眼鏡の女子学生。背景には家庭的なリビングが広がる。
家庭的なリビングで怒った表情を見せる女子学生。表情と雰囲気が印象的な日常の一コマです。AIが描いたイメージです。

「やばい!!」

全員が凍り付いた…

社長は穏やかな口調だが目が怒っている💦

「皆、今日はリミブレイクのプロフ用の写真撮影でしょ?それが、なぜ…私服なのかしら?」

「それは…」

一同は下を向いてしまった。

「それにね、すっぴんで職場に来るとは何事なの?それとも…」

社長がにやりと笑った。

腕を組んで自信満々に笑う眼鏡の女子学生。背景には家庭的なリビングが広がる。
余裕の笑みを浮かべる女子学生。家庭的なリビングを背景に、彼女の強い個性と自信が際立っています。AIが描いたイメージです。

「げっ!!!」

社長は「今日からリミブレイクは「下着販売メーカー」に変えようかしら?」

それから鋭い目で

「全員下着で撮影しなさい!!]

「ご、ごめんなさい!!」

「申し訳ありませんでした」でしょう?

「は、はい!!」

私たちは全員、ものすごいスピードでロッカーにしまってあった、オフィスレディの制服に着替えた。

16時:撮影終了、そして反省会

なんだかんだで撮影終了。みんなでお疲れ様のお茶タイム。狭い部屋だから、コンビニで買ったペットボトルのお茶を床に座って飲む感じ。なんか学生みたい。

「今日って何の撮影だったっけ?」ってさゆりさんが言い出して、みんなで爆笑。確かに、最初の目的を完全に見失ってた。

結先輩が「でも、たまにはこういうのも良いよね」って言ってくれて、なんとなくみんなも納得した雰囲気。私も楽しかったのは事実だし。

17時:帰り道での本音

ゆり先輩と一緒に駅まで歩いてる時に、ぽろっと本音が出ました。

「正直、ちょっと疲れた」 「わかる。でも、みんなで騒げて楽しかったよね」 「うん。ただ、やすさんの視線がちょっと…」 「あー、気になった。でも悪い人ではないと思うけど」

そうなんです。全体的には楽しかったけど、微妙にモヤモヤする部分もあった。特にやすさんの反応とか、写真をどう使うのかとか。そういえば、結さんの婚約者の龍二君。終始無言だったな。私達を見て何も感じないのかな?

夜:家で冷静になって思うこと

シャワーを浴びて、一人になってから今日のことを振り返ってみました。楽しかったのは間違いないけど、「これって本当に会社の広報写真として適切だったのかな?」という疑問も湧いてきます。

SNSで「映える」写真を撮ることが重視される時代だから、こういう企画になったんだと思うけど、私たちって「商品」扱いされてない?そう考えると、ちょっと複雑な気持ちになります。ゆりさんの「イメージガールは「見せてなんぼ。芸は売っても身は売るな」」の言葉が頭に浮かんだ。

そうだ、私も一時はゆりさんにあこがれて、イメージガールを目指してここに来た。あの頃から、私のあこがれはゆりさんだった。だから、今回の撮影も「商品扱い」ではないはずだ。もし、そうならゆりさんが黙ってはいないだろう。

「これでいいんだよね…」

でも、普段は事務作業ばかりで、みんなでワイワイする機会って意外と少ないから、そういう意味では良い機会だったかも。麻紀ちゃんなんて、普段はおとなしいのに今日は積極的だったし。

明日からの心配事

明日会社に行って、今日の写真を見せられるのがちょっと心配。やすさんがどんな写真を選んで、どう加工するのか。私たちの「素」の部分まで写っちゃってるかもしれないし。

それと、他の部署の人たちにどう説明すれば良いのかも悩みどころ。「撮影会楽しかった」って言うのは簡単だけど、実際は結構カオスだったし。

結論:複雑だけど、嫌いじゃない

今日一日を通して感じたのは、会社のイベントって「建前」と「本音」のバランスが難しいなということ。最初は「きちんとした広報写真を撮りましょう」っていう建前だったのに、気がついたら本音の部分が全面に出てしまった。

でも、それが必ずしも悪いことだとは思いません。普段見えない同僚の一面を知ることができたし、チームワークも深まった気がします。ただ、境界線は大切だなとも思いました。

明日、会社でみんなとどんな話をするのか、今から楽しみです。きっと「昨日は大変だったね」って笑い話になるんだろうな。

そして、次回もし同じような企画があったら?正直、微妙なところです。楽しかったけど、もう少し計画的にやりたいかも。

追記: 結先輩からLINEで「お疲れさまでした!楽しかったです」って送られてきました。みんな同じ気持ちなのかな。明日が楽しみです。


【6月30日】ゴキブリには勝てなかった…空手有段者みゆきの涙のオフィス事件簿

ルポライター・みゆき(21)
空手歴15年(全日本空手道連盟二段)・元レースクイーン・スイーツルポライター


「華麗な空手の技でゴキブリをやっつけてよ!」なんて期待された私が、まさかの号泣逃走劇を繰り広げることになるとは。オフィスを戦場と化した”黒い悪魔”との死闘(?)を、恥を忍んで赤裸々レポート。空手の技術的限界と害虫駆除の現実も交えて解説する。

この記事を読んでわかること

  • 空手の技術体系が昆虫に対して物理的に無効である理由
  • オフィス環境でのゴキブリ発生要因と現実的な対策
  • 実際に使用した害虫駆除グッズの効果比較
  • 恐怖反応との向き合い方と専門知識の重要性

第1幕:平和なオフィスに現れた”黒い刺客”

時刻は朝8時45分。コーヒーの湯気が立ち上る静寂のオフィスで、私は今日のスケジュールを確認していた。

「今日も平和だなあ」

そんな呑気なことを考えていた、その時だった。

カサ…カサカサ…

「?」

足元から聞こえる妙な音に首をかしげる私。まさかとは思ったが、恐る恐る机の下を覗き込むと―

ヌルッ

現れたのは体長約3センチ、光沢のある黒い甲殻に身を包んだゴキブリだった。見た目からしてチャバネゴキブリ(Blattella germanica)のようだ。

にっこり笑顔でほっぺが赤い、かわいくデフォルメされたゴキブリのイラスト
ゴキブリがかわいくデフォルメされたイラスト。子ども向け教材やキャラクターとしても使いやすいデザインです。AIが描いたイメージです
きゃあああああああああ!!!!

我ながら見事な絶叫が響き渡る。椅子から立ち上がった勢いで、コーヒーカップが宙に舞った。

第2幕:空手有段者、まさかの敗走劇

「みゆきちゃん、どうしたの?」

同僚のmikuが駆け寄ってくる。

「ゴ、ゴキブリが…」

指差す私の手は震えていた。

「え?ゴキブリ?みゆきちゃん空手やってるじゃん、やっつけてよ!」

眼鏡をかけた銀髪のアニメ風キャラクターが、汗をかきながらも笑顔で立っている様子。
運動後でも笑顔を忘れない元気なキャラクターのイラスト。汗とタオルが努力を物語っています。AIが描いたイメージです。

ここで冷静に解説しよう。

空手の技術体系は主に「立ち技」で構成されており、対象の想定身長は150-180cm程度の人間である。基本的な攻撃技である「正拳突き」の射程距離は約30cmで、床面から5cm程度の位置を素早く移動する体長3cmの昆虫には、物理的にリーチが合わない。

さらに、空手の「間合い」概念は相手との距離が1-2メートルを前提としているため、足元の微小な動きに対する反応は想定されていないのだ。

つまり、どれだけ空手を極めても、ゴキブリ相手では「技術的にお手上げ」というのが現実なのである。
「無理無理無理!絶対無理!」

私は廊下に向かって全力疾走した。後ろからmikuの「おーい!」という声が聞こえたが、振り返る余裕はない。

青いレースクイーン風コスチュームを着て汗をかきながら驚いた表情を見せるメガネの女性キャラクターのイラスト
汗をかきながら驚いた表情のレースクイーン風キャラクター。臨場感あふれるイラストです。AIが描いたイメージです

第3幕:オフィス全体を巻き込む大騒動

給湯室に避難した私のもとに、続々と同僚たちが集まってきた。

「何があったの?」 「ゴキブリが出たって?」 「どこに?」

ここで興味深い現象が起きた。技術のやすさん(61歳・男性)は「俺も虫ダメ!」と即座に私の隣に避難。ゆりさん(31歳・女性)は「任せとけ」とばかりに意気込んでいたが、実際に現場を見ると「うわあ、でかい…」と後ずさりした。

一般的に、ゴキブリに対する嫌悪反応は生物学的に正常な反応とされている。不衛生な環境に生息し、病原体を媒介する可能性のある昆虫を本能的に忌避することで、感染リスクを回避する適応的行動だと考えられているからだ。

かずみ(20歳・女性)だけが勇敢にも立ち向かおうとしたが、ゴキブリは非常に素早く机の隙間に消えてしまった。チャバネゴキブリは秒速約1メートル以上で移動できるため、人間の反応速度では捕捉が困難なのだ。

「見失った!」

「えええええ!どこに行ったの!?」

オフィスが一瞬で戦場と化した。みんなで足をばたつかせながら机の周りをうろうろする様子は、まさにコメディ映画のワンシーンだった。

第4幕:涙の告白タイムと心理的考察

結局、ゴキブリは行方不明のまま。私は給湯室で膝を抱えて座り込んでいた。

「みゆきちゃん、大丈夫?」

mikuが心配そうに声をかけてくれる。

「空手やってるのに…情けない…」

ポロポロと涙がこぼれた。15年間積み重ねてきた鍛錬が、たった一匹の虫に完敗したという事実が悔しくて仕方なかった。

青と白のレースクイーン風コスチュームを着て困った表情を見せるメガネの女性キャラクターのイラスト
困った表情を浮かべたレースクイーン風キャラクターのイラスト。ストーリー性を感じる一枚です。AIが描いたイメージです
心理学の研究では、特定対象への恐怖反応は論理的思考よりも本能的反応が優位になるため、理性的なコントロールが困難になることが知られている。つまり、空手で培った精神力も、生物学的な恐怖反応の前では限界があるということだ。

「でも仕方ないよ。虫と空手は別物でしょ」

ゆりさんが慰めてくれたが、その時だった。

「ギャアアアア!」

夢子の絶叫が響く。例のゴキブリが今度はコピー機の下から現れたのだ。

「第2ラウンド開始!」

なぜか実況するかずみ。私たちは再び大騒ぎになった。

第5幕:プロの技術登場

最終的に、さゆりが颯爽と登場。

「こんなもん、慣れっこですよ」

さゆりが使用したのは、ピレスロイド系の殺虫剤だった。ゴキブリの神経系に作用し、効果的に駆除できる仕組みになっている。

あっという間にゴキブリを退治してくれた。プロの技に一同感嘆。

「やっぱり餅は餅屋ね」

ゆりさんの一言に、みんなで大笑いした。

番外編:現実的な対策会議

事件後、なぜかオフィスで「ゴキブリ対策会議」が開催された。今度は私が調べた知識を活かして、現実的な対策を提案することにした。

議題:今後のゴキブリ対応について

購入・検証した対策グッズ比較

商品名主成分価格設置後の効果使用感
ブラックキャップフィプロニル0.05%1,580円2週間で目撃ゼロ設置するだけで簡単
ゴキジェットプロイミプロトリン880円即効性あり匂いが強い
ゴキブリホイホイ強力粘着剤680円月2-3匹捕獲捕獲確認できて安心

ブラックキャップの仕組み 主成分のフィプロニルは、昆虫の神経伝達を阻害する殺虫成分。摂取したゴキブリが巣に戻ってから効果を発揮し、他の個体にも影響を与える「連鎖効果」が期待できるとされている。

実際に使用してみた結果、設置から2週間ほどでゴキブリの目撃情報がなくなった。価格は高めだが、効果を考えれば妥当だと感じた。

オフィス環境でのゴキブリ対策

一般的に、オフィスビルでのゴキブリ発生要因は以下が挙げられる:

給湯室・休憩室の食品残渣 – 最も重要な要因

暖房設備周辺の温度環境 – 越冬場所として好まれる

配管・ダクト経由の侵入 – 建物の構造的問題

段ボール等の搬入物 – 外部からの持ち込み

私たちのオフィスでは、特に給湯室の清掃を徹底し、食べ残しをすぐに片付けるよう心がけた。また、暖房機器周辺にもブラックキャップを設置した。

第6幕:学んだことと今後の展望

恐怖反応の正体

ゴキブリに対する恐怖は、決して恥ずかしいことではない。むしろ、人間が長い進化の過程で獲得してきた「生存本能」の現れだと考えられている。

不衛生な環境に生息し、サルモネラ菌や大腸菌などを媒介する可能性のある昆虫を避けることは、感染症予防の観点からも合理的な行動なのだ。

専門知識の重要性

今回の事件をきっかけに、害虫駆除について本格的に勉強した。その結果分かったのは、感情的な対応よりも科学的な知識に基づいた対策の方がはるかに効果的だということだった。

例えば、ゴキブリは夜行性で暗い場所を好むため、日中は机の隙間や電気機器の裏などに潜んでいる。また、温度20-30度、湿度60-80%の環境を好むため、除湿と清掃が予防の基本となる。

エピローグ:強さの再定義

あの事件から半日。私はまだゴキブリが得意ではないが、以前ほどパニックにはならなくなった。⇐順応性あり

重要なのは「完璧に恐怖を克服すること」ではなく、「適切な知識と対策を身につけること」だったのだ。空手で培った集中力を、今度は害虫対策の勉強に向けた結果、オフィスの害虫対策責任者も任されるようになった。

研究によると、恐怖対象に関する正確な知識の獲得は不安反応の軽減に効果があるとされている。実際、ゴキブリの生態や効果的な駆除方法を学ぶことで、心理的な負担は大幅に軽減された。

この記事を読んで分かったことと考えるべきこと

空手の技術は物理的に昆虫駆除に適用できない明確な理由がある

ゴキブリ恐怖症は生物学的に正常な適応反応である

科学的根拠に基づく予防策が感情的対応より効果的

専門知識の習得により恐怖反応は軽減可能

プロの技術と適切な薬剤使用が最も確実な解決策

あとがき:体験から学んだ教訓

「空手有段者がゴキブリに泣かされた」なんて、漫画みたいな話だと思われるかもしれない。でも、これは紛れもない実話だ。

今回の事件を受けて、私はオフィスの害虫対策責任者として、予防と早期発見に努めている。恐怖を知識で補完した経験は、ルポライターとしての取材力向上にもつながった。

空手二段の技術と害虫対策の実践的知識を併せ持つライターとして、これからも現場に根ざした記事を書き続けたい。

P.S.
この記事を読んでくださった皆さん、もしオフィスや家庭でゴキブリと遭遇したら、まずは冷静になって適切な対策を講じることをお勧めします。恐怖反応は自然なものですが、正しい知識があれば必ず対処できます。

恥ずかしがらずに、プロの力を借りることも立派な解決策の一つです。私たちは完璧である必要はないのですから。

担当:みゆき

【6月29日】事務所の洗濯機が壊れた日 部長の洗濯板騒動と修理か買い替えかの判断

水曜日の朝、いつものように出社したら、事務所の洗濯機が動かない。リミブレイク事務所で働く私、さゆりの一日は、こんな小さなトラブルから始まりました。

そして部長が取った行動が、まさかの洗濯板。令和の時代に、50代男性が若い女性スタッフの前で下着を手洗いする光景は、正直引きました。

この記事を読んでわかる事

  • 実際の洗濯機故障時の対処と判断プロセス
  • 修理と買い替えの現実的な費用比較
  • 事務所での家電トラブル対応の実態

朝一番の洗濯機が止まって、部長が暴走した

リミブレイク事務所の洗濯機はHaier JW-KD55B。2017年に買ったから、もう8年近く使ってる計算になります。

朝9時頃、いつものように制服を洗おうとスイッチを入れたんですが、途中で止まっちゃって。操作パネルは光ってるし、エラーも出てないんです。でも、すすぎの段階でタイマーが止まったまま動かない。

「洗濯機壊れました」って部長に報告したら、なんと押し入れから洗濯板を取り出してきたんです。「昔はこれが当たり前だった」とか言いながら、自分の下着をゴシゴシ洗い始める始末。

若い女性ばかりの事務所で、これはさすがにマズいでしょう。私、本気で怒りました。「部長、それちょっと…」って言ったら、「効率的だ」とか得意げに言うんです。1枚洗うのに30分もかけて、どこが効率的なんでしょうか。

とりあえず故障の原因を調べてみた

感情的になってても仕方ないので、まずは冷静に状況確認です。前の職場で家電売り場にいた経験があるので、基本的なチェックはできます。

電源周りは問題なし。フタのロック機能も正常。排水ホースも詰まってない。でも、脱水の時に変な音がしてるんです。「ジー」っていう、いつもと違う音。

これ、多分排水ポンプか制御基板のトラブルですね。7年以上使った洗濯機によくある症状です。

修理費用を調べたら、予想以上に高かった

近所の修理屋さんに電話で聞いてみました。

排水ポンプの交換だと、部品代と工賃込みで1万円から1万2千円くらい。制御基板なら1万5千円近くかかるそうです。

同じ型の新品がネットで2万4千円くらいで買えることを考えると、修理費用が結構な割合になっちゃいます。しかも、一箇所直しても他が壊れる可能性もあるし。

買い替えを真剣に検討してみた

事務所で使う洗濯機なら、そんなに高機能は要らないかなと思って調べてみました。

メーカー型番容量価格特徴
HaierJW-U55A5.5kg約24,000円シンプル機能
PanasonicNA-F50B155.0kg約30,000円静音・省エネ
SHARPES-GE5E5.5kg約32,000円槽洗浄機能付き

※価格は大手家電量販店での調査(2024年末時点)

正直、修理に1万円以上かけるなら、あと1万円足して新品買った方がいいんじゃないかって思いました。保証もあるし、省エネ性能も上がってるし。

部長の洗濯板作戦は大失敗

私が調べ物をしている間も、部長の手洗いは続いてました。でも、明らかに非効率すぎる。1枚のシャツに30分って、どう考えてもおかしいでしょう。

「部長、その時間で他の仕事どれだけできると思ってるんですか」って言ったら、ようやく現実に気づいたみたいです。

若い女性スタッフたちの視線も痛かったんでしょうね。結局、「すぐに新しいの買おう」って折れました。洗濯板作戦、完全に失敗です。

部長の洗濯板チャレンジ、30分で現実に敗北した模様👔💦

実際に新品を購入した結果

結局、パナソニックのNA-F50B15を購入しました。価格は29,800円。

決め手は静音性ですね。事務所だとお客さんもいらっしゃるので、音が小さいのは重要でした。あと、省エネ機能も魅力的でした。

古い洗濯機の処分費用が3,000円かかりましたが、それでも修理するより安心感があります。

今回の教訓と反省点

まず、メンテナンス不足でした。定期的な槽洗浄とか、排水ホースの掃除とか、もっとちゃんとやっておけばよかったです。

あと、使用年数をちゃんと把握しておくことの大切さも実感しました。8年近く使ってたなら、もっと早く買い替えを検討すべきでした。

それと、職場での適切な判断プロセスの重要性。部長の洗濯板みたいな場当たり的な対応じゃダメですよね。

結論として学んだこと

洗濯機の故障は突然やってきますが、使用年数と修理費用を冷静に比較すれば、適切な判断はできます。

今回のケースでは、8年使用・修理費1万円以上・新品3万円という条件で、買い替えが正解でした。

ただ、一番の教訓は日頃のメンテナンスの大切さですね。完全に故障を防ぐのは難しくても、寿命は延ばせたはずです。

部長の洗濯板騒動は笑い話になりましたが、職場でのトラブル対応って、意外と難しいものだと改めて思いました。

この記事を読んで分かったことと考えるべきこと

  • 家電の故障時は感情的にならず、冷静な費用対効果の判断が重要
  • 使用年数7年以上、修理費が新品価格の3分の1を超えたら買い替え検討
  • 日常的なメンテナンスが故障予防と寿命延長に効果的
  • 職場でのトラブル対応には適切な判断プロセスが必要
  • 古い対処法(洗濯板)に頼るより、現代的な解決策を選ぶべき

※記事内の価格や修理費用は実体験に基づく概算です。地域や業者によって異なる場合があります。